公益セクターの会計基準をめぐる情報


第4回 誤りのない会計処理のために


1.「ヒューマンライズ」におけるデータチェックの方法

(2)入力時点でのミスの発見方法
入力時点でのミスのあり方

前稿で述べたように、コンピュータシステムを利用する場合、入力ミスに対する対策をどのように行なうかということが、そのシステム運営上極めて重要な意味を持っています。


今回は、「ヒューマンライズ」設計におけるパンチミスの防止のための工夫と、その考え方についてまとめてみます。この考え方を理解して頂くことによって、日常の入力作業とそのチェックを、よりスムーズに行なえるようににすることがこの稿の目的です。


入力ミスは、ほとんどがコード・金額など数字の入力ミス、つまりテンキー(0から9までのキー)のタッチミスとしてあらわれます。摘要入力時などの、カナ・漢字の入力の場合には、入力作業者(オペレーター)は、入力結果を画面上で確認しながら進めることが多くなります。大量なデータを、より早く入力するためにはこの方法の方が優れており、コンピュータシステムの設計上、テンキー入力を多くするのはそのためです。


テンキー入力だけであれば、オペレーターの教育時間が短縮できるという効果もあります。その反面、オペレーターが入力内容を理論的に確認することがないため、考えられないようなミスも起こりえます。


漢字入力で「鉛筆」を「消しゴム」と入力ミスすることはありえないし、「1万円」を「10万円」と入力ミスすることは考えられません。ところが、テンキー入力ではコード10010が「鉛筆」、10100が「消しゴム」として登録されている場合、10010を10100と入力するのは十分考えられることです。


又、テンキー入力では頻繁に「0」を使用するため、10000と入力するつもりでも100000と0を一個余分に入力するのはよくあることです。コンピュータのキーボードなど触ったがないという方でも、電卓を使用した集計作業を桁間違いで苦労された経験はお持ちだろうと思います。


コンピュータシステムでは、入力された数字やコードを使って、電卓の集計作業より更に複雑な処理をしています。だからこそ、この論理性のない入力ミスを入り口で発見することが極めて重要となる訳です。


「ヒューマンライズ」では、入力ミスを防止し発見しやすくするため、次の二つの工夫を行なっています。


(1) 入力プログラムの中に確認画面を挿入することによって、オペレーターが画面を見ざるを得ない機会を、繁雑にならないギリギリの範囲で設定する。
(2) 論理チェックをプログラムが行ない、誤りがある場合はオペレーターに知らせて作業を中断する。(画面1参照)



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