公益セクターの会計基準をめぐる情報


第4回 誤りのない会計処理のために


1.「ヒューマンライズ」におけるデータチェックの方法

(4)月次締切及び決算時点でのチェック方法
「ヒューマンライズ」における決算チェックプログラム

「ヒューマンライズ」では、決算チェックのためのプログラムを用意しています。


このプログラムを使用すると図のような出力が行なわれます。最初に、各計算書類毎の問題点が出力されます。(イ及びロ)左端のレベルには、×、▲、△、空白の4種類があります。


×は、赤残(本来は借方にあるべき科目に貸方残がある。又はその逆)や、予算案又は補正予算案が登録されているにもかかわらず承認されないままになっている場合など、予算のためには、何らかの処理が不可欠な場合を示しています。


▲は、予算額がない科目に実績があったり、予算額以上の実績があったりした場合に出力されます。公益法人の予算管理の観点からして原則的にはあり得ない場合に出力されますから、慎重な処理が必要となります。


△は、実績額が予算の10%以下であったり、当初予算+補正予算より流用額の方が多かったりした場合に出力されます。あまり発生しない事態ですので、内容の妥当性について検討して下さい。レベル欄が空白の場合は、念のため出力しているものですから参考にして下さい。


他会計関連(ハ)については、各会計間の取引に関する科目の、発生額及び残高が出力されます。これは法人の内部取引の合計ですから、貸借は一致するはずです。もし不一致の時はその原因を調査し、正しく修正を行って下さい。


但し、勘定科目マスター作成時に会計間取引に関する科目の計算書類上の位置を変更したり公益法人会計基準の原則に対して特殊な要求をされますと、この出力は完全なものとはなりませんので御注意下さい。決算チェックプログラムは、各勘定科目の残高からその妥当性を推定し得る範囲に限定されています。


従って、このプログラムでメッセージが出力されないことが決算の完全な正確性を保証するものではありません。しかし、極めて忙しい決算処理の中で、見落としがちな点をコンピューターでチェックしますので、大きな効果があります。繰返して同じチェックを何度も行うことは、人間にとって注意力の低下を招きますが、コンピューターにとっては得意とする所であるからです。


以上、  1.「ヒューマンライズ」におけるデータチェックの方法  で述べてきた内容を読んでいただければコンピューターを使った場合の正しい会計処理を実現するために「ヒューマンライズ」をどのように利用すればよいか御理解いただけると思います。




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